我が家の裏山の雑木林は年間を通じて恵みの山です。
特に秋はアケビ、山ぶどう、キノコ、栗等収穫出来る豊かな山でした。
私がまだ子供の頃、
おばあちゃんは早朝から大きな籠を背負って山に入ります。
夕方に沢山の山栗を拾って帰ってくると、
おばあちゃんは嬉しそうに大きな籠いっぱいに入っている山栗を
私に見せてくてました。
そこには、小さなおばあちゃんと同じくらいの沢山の山栗があり、
ピッカピカに輝いてました。
翌日は朝から小さな山栗をおばあちゃんは器用に包丁で
ひとつひとつ剥いていきます。
それは根気のいる作業ですが、おばあちゃんは楽しそうです。
ニコニコしながら剥いていく栗!
隙をついて私は剥いた栗を一個口に入れてつまみ食い。。
ポリポリした食感と噛むとほんのり感じる甘みと少し粉っぽい味・・・・ムム。。
生の味は微妙で決して美味しいものではなかったが、秋の味です。
その日の夜はもち米で蒸かした栗ごはん。
甘くて美味しい。
「初物だから笑いながら食べなさい」
と笑顔のおばあちゃん
皆が美味しい、美味しいと言って食べてるのを楽しそうに眺めていました。
あれから数十年!
おばあちゃんも亡くなり、誰も山に栗を拾いに行かなくなりました。
それでも、家の庭には大きな丹波栗の木が二本あるので、
毎年栗ご飯を食べてるが、
あのおばあちゃんが拾ってきた、小さな山栗の味には及びません。
今でも山には山栗があるのかな?
いつかまたあの甘くて美味しい山栗を食べてみたいな。。
山栗で作った栗ごはん。
食べたらおばあちゃんの笑顔を思い出すかな?